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Kioxia America, Inc.
ビジネスデベロップメント

エリック・リース

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キオクシア株式会社(KIOXIA)は「『記憶』で世界をおもしろくする」をミッションに掲げています。そんなキオクシアのメンバーは、「記憶」についてどのように考えているのでしょうか。1人ひとりがこれから目指していく「わたしの世界新記憶」をたどります。
今回登場するのは、Kioxia America, Inc.のメモリストレージ戦略部門をリードするエリック・リースさん。「先祖の系図・系譜を辿る」という趣味を持つリースさんは、「自分たちの“ストーリー”を後生に残す」という、新しいメモリ・ストレージ技術の可能性ついて考えているそうです。

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2013年の(株)東芝の入社を経て、2016年にToshiba Memory America(現・Kioxia America)へ転籍。メモリストレージ戦略部門に在籍し、シニアバイスプレジデントとして主にメモリやストレージビジネスの技術・製品戦略の開発、成長戦略提案に従事。

今でも残る15歳のエキサイティングな冒険の記憶

キオクシアは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの国外にも複数の拠点を持っています。そんな海外関係会社の1つが「Kioxia America, Inc.」(以下、KAI)です。

東芝セミコンダクター&ストレージ社などを経て、3年前にKAIへ入社したリースさん。同社でメモリストレージ戦略部門に在籍し、バイスプレジデントとして主にメモリやストレージビジネスの技術・製品戦略の開発、成長戦略提案に従事しています。

「メモリやストレージが将来的にどのような使われた方をしていくのか。そしてそれらの市場において、キオクシアは今後どのような事業を展開していくべきか。簡単に言うと、それを考えるのが私の仕事です」(リースさん)

そんなリースさんが過去の印象深い記憶として想起するのは、15歳のある日に体験した思い出です。

アメリカ・ユタ州のプロボ出身のリースさんは、ロッキー山脈に囲まれた環境で育ちました。中学生のころカナダのアルバータ州へ引っ越し、地元のボーイスカウト隊に所属していたリースさんは、世界中のボーイスカウト隊が集まるイベント「World Scout Jamboree」のマウンテンガイドを仲間とともに務めることになりました。その準備のためにカナディアン・ロッキーで20マイル(約30km)の道をハイキングしたといいます。

「そのときの美しい景色はもちろん、背負っていた荷物の重さ、それからにおいなどを覚えていますね。しかしそれ以上に記憶に刻まれているのは、われわれ一行が山奥で迷子になってしまったときのことです。マウンテンガイドの準備なのに迷子になってしまうという、ちょっと恥ずかしい思い出でもあるのですが(笑)」(リースさん)

当時はインターネットもGPSもなく、カナディアン・ロッキーで迷子になったリースさんたちは、紙の地図を頼りに帰り道を探しました。高速道路につながる電力線を見つけたことがヒントとなり、山を脱するルートを特定。しかしゴールまでのルートは「崖を下り、伐採された多くの木を越え、非常に急な斜面を登らなければならない」という、とても険しい道だったようです。

「夜はテントを張りましたし、クマが出没する場所だったのでとても怖かった記憶もあります。しかしそうした恐怖心以上に、子どもながらに感じた“冒険心”のほうが強く自分のなかに印象に残っていますね」(リースさん)

忘れられない初来日の匂いと感覚

19歳のとき、初めて日本に渡航したときのことも、印象深い記憶として残っているそうです。

「縁あって、今も日本とは仕事上で大きな関わりを持っています。だからこそ初来日のときの印象は私にとって、とても大切な記憶なんです」とリースさん。日本の第一印象とは、いったいどういった記憶なのでしょうか。

「たしかそれは9月上旬のことで、少し暑さが残る季節でした。成田空港の滑走路が近づき、窓の外を見渡してみると、とても緑が多いことにまず驚きました。私が生まれ育った場所は砂漠地帯が多く、これほどの緑を見たことはありませんでしたから。飛行機の外に出てからは日本特有のじめじめした湿度を感じましたし、そのときに感じた“磯の香りと醤油の香りが混ざったような”独特のにおいも忘れられません」(リースさん)

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先祖の日記から学べることがきっとある

リースさんは、キオクシアが掲げる「『記憶』で世界をおもしろくする」というミッションにも多大な関心を示します。

「私は趣味として、先祖の“genealogy”(系譜)を辿っています。先祖が生きた200〜300年前のストーリーを追いかけることは、私にとって非常に価値のある体験です。彼らのストーリーから、現代に生きる我々が学べることもきっとある、と考えているんです」(リースさん)

しかし、リースさんの「系譜を辿る活動」は多くの場合、国勢調査の記録や出生・結婚・死亡など主要なライフイベントの事実のみが記されたケースがほとんど。記録を知ることはできても、彼らの当時の“記憶”までを辿ることはできません。そのため、記録からストーリーを再構築するのは、ほとんど不可能です。リースさんにとっての“ある日課”が、「先祖のストーリーを掘り起こす重要なヒントになり得る」とリースさんは言います。

「それは“日記”です。私は毎日、悔しかったことやはずかしかった出来事を日記として記録しています。ほとんどの方は日記を書く習慣を持っていないでしょうが、運よく見つけた日記を読めば、書いた方がどのような人生を歩んだのか、さらには当時の生活の様子を伺い知ることができます。だから系譜を調べる趣味において、先祖の“日記”を見つけられたときが、最も喜びを感じる瞬間です」(リースさん)

自分のストーリーを後生に残すことで愛する人たちの“生きた記憶”になれる

15歳のときの冒険心、そして19歳のときの日本に対する第一印象——。これらはいずれもリースさんの記憶に今もはっきりと焼き付いています。しかし、当時は日記を書いておらず「あのときの正確な気持ちを残しておけばよかった」と話します。

「季節の行事、結婚式、お祝い、悲劇、出生、死……など、私たちの人生にはたびたび、重要で情熱的な出来事が訪れます。そのときの気持ちをきちんと記録することは、年齢を重ねるにつれて徐々に忘却され、死んでしまえば永遠に失われる“記憶”を残すことにもつながるでしょう」(リースさん)

さらにリースさんは「キオクシアが開発する新たなテクノロジーによって、そうした記憶を残していきたい」と話します。

「すでにソーシャルメディアなどを通じて、私たちの断片的なストーリーはメモリ技術と関係しています。しかし残念ながら現時点では、情報を永続的でアクセスしやすい状態に“記録・整理・共有・編集”する方法を築けてはいません。たとえば、簡単に利用できる自動化技術によって、私たちの日頃のライフイベントを記録・整理・共有・編集できるようになったとします。そうすれば、後生の人たちが私たちのストーリーを知り、彼らがそこから何かを学び取ることがあるかもしれません。

メモリやソフトウェアの技術が進歩すれば、こんなサービスが提供できるようになると思います。そんな世界が実現すれば、私たちは、私たちの愛する人たちの“生きた記憶”にもなれるのではないでしょうか」(リースさん)

文:安田博勇 / 写真:伊藤圭

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